静けさの中に宿る意志──ドイツから始まったミニマリズムの革新
Jil Sander(ジル・サンダー)は1968年、ドイツ・ハンブルクにて、元ファッション編集者のジル・サンダーによって創業されました。彼女が掲げたのは「装飾ではなく本質を見る」という哲学。トレンドに流されるのではなく、自分らしさを内に秘めた洗練を求める女性のための、機能性と静けさを備えた美学でした。
特に1990年代、装飾性が支配するファッション界において、そのシンプルで構築的なシルエットは際立ち、「ミニマリズムの女王」として世界の注目を集めます。その後、ブランドはPrada傘下を経て、現在はOTBグループのもとで、ルーク & ルーシー・マイヤー夫妻がクリエイティブディレクターを務め、ジルの精神を受け継ぎながら現代的な温かみを加え、世界中のファッションラバーに新たな魅力を届けています。
日本では早くから洗練されたミニマリズムとして受け入れられ、東京や京都の都市美学とも共鳴。ユニクロとの伝説的コラボ「+J」シリーズは、シンプルで高品質な服を好む日本の感性にぴたりとフィットし、瞬く間に完売が続出しました。