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A.P.C.(アー・ペー・セー):静けさの中に宿る美学

FASHION / 2025-07-23

「無駄を削ぎ落とす」という信念から生まれた、パリ発の静かな革命

A.P.C.は、1987年、ジャン・トゥイトゥ(Jean Touitou)によってパリで設立されました。当時、装飾過多で派手な80年代ファッションに疑問を抱いたトゥイトゥが打ち出したのは、あえて主張しないシンプルな服作りという静かな挑戦でした。

ブランド名「Atelier de Production et de Création(生産と創造の工房)」が示す通り、デザインと実用性の融合こそがA.P.C.の真髄。特にロゴを排したリジッドデニムは、時代の流れに左右されず、日本の感性とも深く共鳴しました。実際、A.P.C.は90年代からいち早く東京に進出し、青山に旗艦店をオープン。以降、日本のファッションシーンにおいて「静かな主張」の代名詞として確かな地位を築いています。

 

日常に寄り添うデザイン、それがA.P.C.の贅沢

A.P.C.の魅力は、目立つことではなく「美しい普通」であること。上質な素材選びと端正なカッティングが特徴で、無地のシャツ一枚でも佇まいに品が宿ります。

代表作である「プチ・ニュー・スタンダード」デニムは、硬質な履き心地と経年変化の美しさで日本のデニム愛好家にも人気。ほかにも、滑らかなレザーの「グレースバッグ」、暖かみのあるニットウェア、そしてフレンチベーシックを現代風にアレンジしたコートやカーディガンなど、どれもが「控えめなのに印象的」という矛盾を見事に成立させています。

さらに、CarharttやJW Anderson、そしてJJJJoundなどとのコラボレーションでは、無骨さやユーモアを注入しながらも、一貫してA.P.C.らしさを崩さない節度あるバランス感覚が光ります。派手さを求めない日本の消費者にとって、まさに“日常に寄り添う贅沢”なのです。

 

「ライフスタイル」としてのA.P.C.──日本のカルチャーとも共鳴する美意識

A.P.C.は単なるファッションブランドではなく、“静かで理知的な生活”を提案するライフスタイルブランドとしても知られています。ミュージシャンやアーティストとの協業、独自の音楽レーベルの展開、インテリアや出版物との連動は、その哲学の表れです。

日本では、京都の職人との協業、POP-UPイベント、季節のインスタレーションなどを通じて、文化への深いリスペクトを表現。また、環境に配慮したオーガニックコットンの採用や長く愛用できる設計思想は、「ものを大切にする」日本人の価値観と親和性が高く、Z世代を中心に「持続可能なおしゃれ」の象徴としての支持を集めています。

 

あなたらしい“静かな強さ”を纏うという選択を

A.P.C.が伝えたいのは、「声を荒げずに、自分らしさを表現する」こと。その服は主張しすぎず、けれど確実にあなたの個性に寄り添ってくれます。ディテールへのこだわり、控えめなラグジュアリー、そして知的で穏やかな佇まい——それがA.P.C.というスタイルです。

今こそ、自分のスタイルを“再編集”してみませんか?
IFCHICでは、A.P.C.の最新コレクションを取り揃えています。定番のデニムやバッグはもちろん、数量限定のコラボレーションや、次の季節を彩る新作も続々入荷中。日本の暮らしにフィットする“静かなる名品”を、ぜひご覧ください。