ナポレオン三世も魅了した香水職人の系譜――ゲランのはじまり
1828年、パリのリヴォリ通りで一人の薬剤師が始めた香水店。それが「Guerlain(ゲラン)」の原点です。創設者ピエール=フランソワ=パスカル・ゲランは、植物学と化学に精通した職人であり、香りを"処方"するように顧客一人ひとりのための香水を調合していました。
その革新的なアプローチが瞬く間に話題を呼び、彼が創作した「オー・デ・コロン・アンペリアル」はナポレオン三世の皇后ウジェニーに献上され、ゲランは王室御用達の称号を受けます。以降、五代にわたる調香師の系譜が続き、現在はティエリー・ワッサーがその歴史を継承。現代ではLVMHグループの一員として、伝統と革新を併せ持つ“香りのメゾン”として世界中にその名を響かせています。
日本においても、2000年代以降百貨店やラグジュアリー層向けセレクトショップでの展開を強化し、日本限定コレクションやポップアップイベントなどを通してファン層を広げ続けています。